いよいよ設計スタートです。
私は機械設計の仕事をしています。
つまり、会社の3DCAD(ソリッドワークス)が自由に使えるというありがたい境遇にあります。
始業前や昼休みを利用して、ビシバシ描いていこうと思います。
だいたいの外観寸法だけ出して、後はその時その時で考えるという人もいますが、私は(工作においては)設計段階でできるだけ煮詰めておかないと不安なタイプですので、しっかり時間をかけていくつもりです。
まん丸屋根のドームハウス。まん丸とは言いますが、完全な球面ではなく、三角形をいくつも使って疑似的に表した球面です。
では、どうやって疑似的な球面を描くか・・・?
正20面体
ドームハウスの基本型、それは正20面体です。たぶん。(他にもいろんなパターンがあるようですが。私の頭ではこれが限界に近い・・・。)
- もっとも大きな正多面体
- 正三角形20枚からなる立体
- 辺30本、頂点12個
- 向かい合う面は平行
正20面体はすべての面が正三角形で構成されています。
構造的に四角形よりも強い三角形。
四角形で形作られる普通の家でも、筋交いなどを入れて三角を作っていることから、三角の強さはわかると思います。
その三角形で形作られる球状の立体が四角形で構成される立体よりも強いというのは、容易に想像がつくと思います。
それでは、
正20面体ってどうやって書くの?
ってことなんですが、鉛筆と紙ではまず無理でしょう。
ここからは完全に3DCADに依存します。
- 正五角錘を描く
まずは平面に正五角形ABCDEを描きます。1辺を100mmぐらいにしておくと良いでしょう。
次に右側面に正五角錐の頂点を描きます。
正五角錐は底面が正五角形で側面(?)が正三角形で構成されますので、右側面にて、先程描いた正五角形の頂点Aから正五角形の1辺と同じ距離(100mm)の直線を引き、もう一方の端点Fはスケッチ原点の鉛直上に持ってきます。
この直線の端点Fが五角錘の頂点になります。
右側面のスケッチを終了し、正五角形のスケッチを押し出します。
押し出し量は五角錘の頂点Fを超えれば、どれだけでもいいです。
押し出した五角形の1辺CDと右側面に描いた正五角錐の頂点Fを通る平面CDFを作成します。五角形の各辺で同じように作成し、5面(平面ABF、平面BCF、平面CDF、平面DEF、平面EAF)作ります。
五角形の柱を先程作った5平面(平面ABF、平面BCF、平面CDF、平面DEF、平面EAF)でカットし、不要部分を削除すると、正五角錐ABCDEFが完成します。
- 正20面体にする。
正五角錐ABCDEFをコピーして、移動してを繰り返し、形にしていきます。
隙間を埋めます。
最後に正五角錐で蓋をして組み合わせて、正20面体完成!
正面
上面
側面
- 正20面体をさらに球に近づける
20面体の各辺の中点を通る平面をひたすら(12面)作り、正20面体をこの12面でカットします。
1辺が100mmの正20面体を各辺の中点を通る平面でカットした結果、1辺が50mmの正三角形と正五角形で構成される立体になりました。
ここで注目。正三角形と正五角形が入り乱れ複雑な形に見えるのですが、この立体をきれいに真っ二つにすることができる平面がひとつあります。この平面を「平面B」と呼びましょうか。
平面Bで真っ二つに分割し、下半分を捨てました。
ドームっぽくなってきましたよ。
やや球から遠ざかったように見える立体ですが、ここから球に近づけていきます。
目標とする球面は、平面Bの中心点gと、1辺が50mmの正五角形abcdeの各頂点を通る球面です。
右側面のスケッチに入り、中心点gと正五角形の頂点aの距離を半径とする円弧と、gから鉛直方向に伸ばした線との交点fを求めます。
線分afの距離を計測し、キリの良い数字となるようgの鉛直線上でfを移動し、決定します。
(この作業で頂点fは球面からズレる事になりますが、実際に製作することを考えると、afの長さを重視した方が得策と考えます。)
(説明とイラストがあっていませんがお許しください。)
先ほど求めた点fを頂点とする五角錐abcdefを作ります。
五角錐abcdefをコピペして、五角形の面に貼り付けていき、組み合わせてひとつの立体にします。
できた立体は、1辺が50mmの正三角形10面と、1辺50mm2辺44mmの2等辺三角形30面からなる立体。
正面
上面
美しい(*^_^*)
側面
最後に平面Bを押し出して、ドームハウスの壁とします。
後は、自分の目標とする広さ・大きさになるまで拡大していけばOKですね。
これが今後の設計のベースとなります。